導入事例の作り方、書き方

導入事例は、製品やサービスを既に導入している企業にヒアリングを行い、その導入について得た知見や効果、導入のプロセスなどを記事にまとめたものです。導入事例は企業のBtoBサイトで最も読まれているコンテンツの一つであり、企業が新しい製品やサービスを導入する際に重要な役割を果たす情報源です。そのため、現在のBtoBコンテンツマーケティングにおいては最も必要とされる施策となっています。

このような導入事例ですが、どのようにして制作すればよいのでしょうか?本記事では、効果的なコンテンツとスムーズな制作過程を両立する導入事例の制作手順を9つのステップでご紹介します。

高品質な導入事例を制作する9つのステップ

1. 導入事例の目的やターゲットを明確化する

  • 導入事例の目的は、自社の商品やサービスの価値を証明し、見込み客の購買意欲を高めること
  • 導入事例のターゲットは、自社の商品やサービスに興味があるが、まだ購入に踏み切れない企業の担当者

2. 導入事例を制作する企業の候補を選ぶ

  • ターゲットとなるペルソナを設定し、それに合わせ導入事例を制作する企業をリストアップ
  • 導入事例に掲載したいメッセージや成果を明確にし、それに沿った企業を優先的に選択する
    • 自社の商品やサービスに満足しているお客様で、かつ、導入事例として魅力的なストーリーや成果があるお客様を選ぶ
    • 自社のターゲットとなる業界や規模のお客様で、かつ、競合他社との差別化ができるお客様を選ぶ

3. お客様に導入事例取材の承諾を得る

  • メールや電話などでお客様に導入事例取材の許諾を得る。メールの場合は、件名や文面に導入事例の目的やメリットを明確に伝える
  • 担当者や日程などの具体的な情報をお客様に提示する。取材依頼書や同意書などの必要書類も添付する
  • 取材依頼は、お客様の都合に合わせて柔軟に対応する。取材方法や時間、内容などを調整する

※導入事例を数多く作るためには、そのための仕組みが必要です。ご相談ください。

4. 導入事例取材の事前準備をする

  • 取材対象となるお客様の商品やサービスの導入背景や効果、課題や解決策などを事前にリサーチし、取材の目的や方向性を明確にする
  • 取材する内容や質問項目を整理し、アピールポイントを明確化し、インタビューシートを作成する
  • 場合により、事前に導入事例の大まかな構成を想定しておく

5. 導入事例取材を行う

  • インタビューシートに沿って、事例企業の担当者に導入の背景や課題、解決策、効果などを聞く
  • 生の声や数値データなど、具体的な話を聞きだす
  • サービスの特徴やメリットを具体的に伝える
  • 時系列に沿って流れを聞きだす
  • 取材対象者を撮影する
  • 取材対象者に導入事例の使用範囲を説明し許諾を得る
  • 取材対象者に制作スケジュールを共有する。その際、原稿やレイアウトPDFの確認に必要な期間を聞く
  • 取材時は、社会人としてのマナーを守り、お客様に感謝の気持ちを伝える

※参考:効果的な導入事例を作るために必要なこと

6. 文章を書く

  • 取材した内容をもとに、導入事例の文章を作成する
  • 導入事例の文章の体裁を決める
    • 導入事例の文章の体裁は、「地の文形式+コメント」、「一人称形式」、「一問一答方式」などがある
  • 起承転結でストーリー仕立てにし、見出しやタイトルには具体的な成果を入れる
  • サービスの特徴やメリットを具体的に伝える
  • 一般的な導入事例の構成例は以下
    • タイトル:導入事例の内容を簡潔に伝える。具体的な成果や数字を入れると良い
    • リード文:導入事例の概要や見どころを紹介する。読み手の興味や関心を引くように書く
    • 事例企業紹介:事例企業の名前や業種、規模などを紹介する。自社と同じような業界や規模の企業であれば共感が生まれやすい
    • 導入背景:事例企業が自社の商品やサービスを導入したきっかけや理由を紹介する。読み手が抱えている課題やニーズに寄り添うように書く
    • 導入プロセス:事例企業が自社の商品やサービスを導入するまでに、どのような検討や準備をしたかを紹介する。導入の際に感じた不安や期待、導入の決め手やポイントなどを具体的に述べる
    • 解決策:自社の商品やサービスがどのように事例企業の課題やニーズに応えたかを紹介する。自社の強みや差別化要素をアピールする
    • 効果:自社の商品やサービスがもたらした具体的な効果や成果を紹介する。数値データやグラフなどを使って分かりやすく示す

7. デザインレイアウト、Webページを作成する

  • 上記で制作した導入事例の文章や写真に加え、図版、インフォグラフィックなどを作成し、PDFや印刷用のデザインレイアウト、またはWeb掲載用のページ作成を行う。

参考:効果的な導入事例とは?「理解しやすい構成とデザイン」

8. お客様に確認する

  • 完成した原稿、またはデザインレイアウトしたPDFやWebページにて、お客様に確認いただき、問題があれば修正する
  • お客様に一般公開の承諾を得る

9. 導入事例を公開・活用する

  • 導入事例を自社サイトに掲載する
    • 導入事例を自社サイトのトップページや商品・サービスページに掲載することで、訪問者に信頼感や興味を与える
    • 導入事例にはCTA(コール・トゥ・アクション)を設置し、問い合わせや資料請求などのアクションに誘導する
  • 導入事例をセールス資料やプレゼン資料として使う
    • 導入事例をセールス資料やプレゼン資料に組み込むことで、商談や提案の効果を高める
    • 導入事例には自社の強みや差別化要素、ROI(投資対効果)などを盛り込む
  • 導入事例をSNSやメールマガジンで拡散する
    • 導入事例をSNSやメールマガジンなどのチャネルで配信することで、自社のファンや見込み客にリーチする
    • 導入事例にはシェアボタンやコメント欄などを設置し、口コミやフィードバックを促す

導入事例は、BtoBマーケティングで最も効果が期待できるコンテンツと言われています。ぜひ活用してみてください。